Yuya Kumagaiのオフィシャルなブログ

生音ヒップホップバンド・HipDistrict、ポエトリー&エレキギターユニット・Anti-Trenchにてギターを弾いてる熊谷勇哉による何気無いブログ。ライヴ情報やその他活動の記録やいろいろをオフィシャルに書きます。

トーキョーにも山はあったんだ

 

ときどき、自分の住む街が山々に囲まれていたらなあと思うことがある。

 

これと言って理由があるわけではないけれども、大きな山脈に囲まれることに安心感を覚えるというのはここ最近になってから。

トーキョーはどこに行っても山がない。代わりに空が広がっている場所は結構ある。

この季節になると夕焼けがどうも叙情的にさせる。中途半端に空が広がる都心にはどうもいじらしく感じる。

 

先日、奈良に行った時に大きな山に囲まれていることに驚きと新鮮さを感じ、身体の芯まで冷えこむ鋭利な寒さに耐えながらもその空気はとても美しいくらいの純粋な冷たさだった。吸い込むと空気の温かささえも感じられるほどに。

あれほどにも青く広い空に魅せられてきたのに、憧れに過ぎなかったんだとふと気付かされた。

 

トーキョーにない大きな空の絨毯と初めて出会ったのは中学の時、オーストラリアに行った時であった。

こんなに青空の景色が違うように感じていたのは今思えば土地の香りのせいでもあったと思うのだけれど、それでも異国の地で感じた天の大きさに可能性しか感じなかった。

僕にとっての最初の美しさとの出会いだった。

 

つい最近、カメラ片手に夕陽にシャッターを切ろうとしていたらそこに山があることに気付いた。

もう群青色より濃い空の遠いところに厚めの雲の壁の向こうから沈みそうな夕陽の光が雲の端だけを照らしていた。あの日、奈良で見た山の連なりがそこにはあった。

トーキョーにも山はあるんだ、と思わず呟くほどにその色彩は美しく、思わず写真に収めるのを忘れて陽が落ちるのをじっと待った。

 

この季節の夕陽はどうも叙情的にさせる。また空の美しさに魅せられてしまった。

ずっと憧れていてもいいのかもしれないと涙を堪えながら沈みきった夕空に思いを馳せて。

 

 

 

トーキョーにも山はあったんだ。